① 今月の重要ニュース
今年の年末調整から、所得税の「控除」が大きく増えます
何が変わる?
- 基礎控除(誰でも差し引ける控除)が、所得に応じて最大104万円に上がります。104万円になるのは、給与だけなら年収206万円以下の方です(それより多い方は、所得に応じて88万円以下になります)
- 給与所得控除の最低額(お給料から自動で差し引かれる分)も65万円→74万円に上がります
- この結果、給与だけの方は年収178万円まで所得税がかかりません(住民税は別です)
会社への影響
- 12月1日施行のため、11月までの毎月の源泉徴収は今までどおりです。差額は12月の年末調整でまとめて精算します
- ご家族を所得税の扶養に入れられる年収の上限も、給与だけなら136万円以下に広がります。健康保険などの社会保険の扶養とは別の基準ですので、ご注意ください
やるべきこと
- 11月に配る年末調整の書類は、必ず今年(令和8年分)の新しい様式を使ってください
- 扶養を外していたご家族が、改正で扶養に入れる場合があります。従業員の方に一声かけてください
② 税務・会計ニュース
10月1日から、パートの社会保険「月8.8万円」の基準がなくなります
- 9月11日に政令が出て、10月1日の撤廃が正式に決まりました
- 週20時間以上働く方は、月収にかかわらず社会保険の加入対象になります(いわゆる「106万円の壁」がなくなります)
- ただし、いま対象になるのは従業員51人以上の会社です
実務で注意:会社の規模の基準は段階的に下がり、2027年10月に36人以上、2029年10月に21人以上の会社へ広がる予定です。パートさんの多い会社は、保険料の負担額を今のうちに試算しておくと安心です。
② 税務・会計ニュース
食料品の消費税1%、国税庁が手引きを公表しました(続報)
- 前号でお伝えした件は、9月15日に政府の大綱が決まり、同じ日に国税庁がQ&Aを公表しました
- 期間は2027年4月1日〜2029年3月31日の2年間、対象は今の8%の品目と同じです
- まだ法律は成立していません。秋の臨時国会で審議される予定で、決定ではありません
実務で注意:食料品を販売する会社は、簡易課税をやめる届出などに期限の特例が設けられる予定です。有利・不利が分かれますので、届出を出す前に必ずご相談ください。
③ AI・DXニュース
会計ソフトに「話しかけて」帳簿を調べられる時代に
- マネーフォワード クラウド会計は、全プランでClaudeなどのAIとつながる仕組みを提供しています
- 「先月の交通費の合計は?」「この取引先への支払い一覧を出して」と文章で頼むだけで、帳簿を探して答えてくれます
すぐ活かすには:まずは「調べもの」だけに使うのがおすすめです。仕訳の登録や修正までAIに任せる場合は、必ず人が内容を確認してから確定させてください。設定のしかたは当事務所でもご案内できます。
④ 社長へのワンポイント
10月から「カスハラ対策」がすべての会社の義務になります
お客様からの度を越えた要求や暴言(カスタマーハラスメント)から従業員を守る対策が、10月1日から会社の規模にかかわらず義務になります。
難しく考える必要はありません。まずは「理不尽な要求には会社として対応する」という方針を紙1枚にまとめて社内に伝え、「困ったときは誰に相談するか」を決めておきましょう。従業員が安心して働ける職場は、採用や定着にも効いてきます。
これからの日付
| 10/1(木) | パートの社会保険「月8.8万円」基準の撤廃(51人以上の会社)/カスハラ対策の義務化 |
|---|---|
| 11/2(月) | 9月決算法人の申告・納付期限 |
| 12/1(火) | 基礎控除の引上げ等が施行(12月の年末調整から反映) |